NHKオンデマンド 大河ドラマ北条時宗 総集編(前編)「兄弟」 感想

　NHK大河ドラマ
『北条時宗』

【放送期間】
　2001年01月07日
～2001年12月09日
　（全49回）

　総集編　前編　兄弟
　（2001年放送／本編99分）

【語り】
　十朱幸代

【キャスト】
　北条時宗 （和泉元彌）
　北条時輔 （渡部篤郎）

　北条時頼 （渡辺謙）
　涼子（あきらこ）（浅野温子）
　讃岐局 （篠原涼子）

　祝子（のりこ）（西田ひかる）
　祥子（しょうこ）（ともさかりえ）
　ほか


【感想】
大河ドラマ 『北条時宗』 はＮＨＫエンタープライズのサイトで通販できます。最近になってやっと

レンタルＤＶＤできるようになったみたい。ＯＰテーマ曲で流れるモンゴル民謡オルティンドーの

ノロヴバンザドさんの歌声が強烈な印象を放ちます。ノロヴバンザドさんは1999年、モンゴル

国家最高功労賞受賞された方です（日本でいう人間国宝に当たる）。ちなみに冒頭の、無数に

うごめく文字は、クビライの生涯の中で戦ってきた、ライバルたちの名前なのだそう。歴代大河

ドラマの中でも、秀逸であるとの高評価を得ているのだとか。世界地図、地球、宇宙と壮大な

スケールのオープニング曲でいまでも強く記憶に残ってます。かなり斬新なイメージでしたね。



兄弟の確執　執権の決意

鎌倉幕府第８代執権・北条時宗（1251―84）。波乱にみちた34年の生涯を総集編で追いかけます。

源頼朝の正室・北条政子の父、北条時政が鎌倉幕府の初代執権だから、北条氏の家系図を

たどっていけば、凄いことに（第16代執権・北条守時までつづいた）。時宗の死因は、結核とも

心臓病とも言われています。蒙古襲来、元寇という外敵。御家人の権力争いという内敵。２つの

敵と戦っていると同時に、執権という逃れられない宿命の、想像を絶するプレッシャーを背負う自分

とも戦っている。北条時宗はすごい人だと思いました。前代未聞、古今未曾有の外敵が攻めてこようと

している動乱の時代。絶対的孤独のなか、困難に立ち向かっていく時宗の姿に勇気づけられました。



鎌倉幕府第５代執権　北条時頼の子
時宗と時輔

兄弟の確執、愛憎が切ない。兄を家臣に従え、執権の弟に仕える。いずれも辛い宿命（さだめ）。

天から与えられた定めを生きていく。「運命」 は、自分の努力で変えられる部分があって、まだ

希望がもてるが、「宿命」 は努力では変え難いもの、どうする事もできないものというニュアンスが

感じられるような気がするのです。豪華キャスト陣、女優俳優さんたちの演技がすばらしい！

狂言師・和泉元彌さんの大河ドラマでの演技にも興味がありました。特に印象に残っているのは

浅野温子さんの涼子（あきらこ）、池畑慎之介さんの北条実時、北村一輝さんの平頼綱です。

ＮＨＫオンデマンド動画視聴しはじめたのは、大河ドラマでＤＶＤ化していないものをどうしても

見たかったという当時の私の、切実な理由がありました。各話ごとに見やすいのも魅力です。



時宗と時輔　北条家の光と影

母の異なる２人の兄弟は、北条家の光と影のよう。時宗の父母、北条時頼と涼子（あきらこ）

の結婚からして、親の敵（かたき）のもとへ嫁ぐという、センセーショナルな結婚でした。時宗が

愛憎を乗りこえた先に見えたものとは、何だったのでしょうか。時輔（ときすけ）役の渡部篤郎

さんも、名演技！　悲運の異母兄の儚さが醸しだされています。キャスト陣、名脇役が光る！

浅野温子さんの涼子（あきらこ）。美しくも凛々しく、颯爽としたその佇まいには際立つ存在感

がある。涼子のような女性になりたいと思いました。池畑慎之介さん演じる北条実時（金沢文庫

創始者）も北条家の沈着冷静なブレーンって感じでかっこいいですね。異端キャラ、北村一輝

さんの平頼綱に圧倒される。刺客と忠臣、２つの顔をもつ複雑な役柄を見事に演じています。

Writer Miyu

（2017年07月24日　記事改訂）

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