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NHKオンデマンド 大河ドラマ北条時宗 総集編(後編) 蒙古襲来 感想

NHK大河ドラマ
『北条時宗』

【放送期間】
 2001年01月07日
~2001年12月09日
 (全49回)

 総集編 前編 蒙古襲来
 (2001年放送/本編99分)

【語り】
 十朱幸代

【キャスト】
 北条時宗 (和泉元彌)
 北条時輔 (渡部篤郎)
 北条時頼 (渡辺謙)

 涼子(あきらこ)
→ 涼泉尼(葛西殿) (浅野温子)

 祝子(のりこ)
→ 覚山尼 (西田ひかる)

 安達泰盛 (柳葉敏郎)
 桐子(とうこ)(木村桂乃)
 ほか


【感想】
NHK大河ドラマ 『北条時宗』 には史実の人物たちの他にも、架空のオリジナル・キャラクター

たち、魅力的なキャラクターたちがたくさん登場します! そのなかで特に、印象に残っている

キャラクターが2人います。1人は、桐子(とうこ)(木村桂乃さん)という女性です。水軍松浦党

の頭領・佐志房(藤竜也さん)の養女でじつは、足利泰氏の娘、足利家の姫君であったという

センセーショナルな設定。姫君の着物姿みたかったけど、総集編では見れませんでした(涙)

運命の重さから逃れることのできない鎌倉幕府第8代執権、北条時宗の苦悩の絶対的孤独。

桐子は真逆の生きかたの女性。広い海で自由に生きる。行こうと思った所には、どこへだって

行ける。だからこそ時宗は、桐子という女性に憧れ、かつて、恋心を抱いたのでしょう。それは

時宗の異母兄、時輔(ときすけ)にしても、しかり。恋人ではない、妻でもない。だけどとても大切な人

守りたい人。そんな人間関係が、時として、人生にはあるのだと思いました。封建社会にあって

自分の意思で生きる、素敵な女性だと思いました。涼子(あきらこ)と共に憧れる女性像です。



戦いの果てに 兄弟の再会

もう1人。時宗の異母兄・北条時輔(渡部篤郎さん)も私にとって、忘れられないキャラクター。

前半とくらべて、後半の時輔の衣装は、随分と変化しています。物語も佳境に入る後半では

赤マフラーがトレードマークとなっていました。北条時輔という人を調べたら、実在した史実の

人物でした。NHK大河ドラマ 『北条時宗』 では、北条時輔の乱のあと高麗へわたり、蒙古軍

の九州攻撃作戦立案に関与したという壮大な設定でした! これは、歴史上の逃亡・生存説

を大幅にデフォルメした創作なのだそうです。北条家の人間、武士であった、それまでの人生

しがらみ、全てを捨て、新しい人生に身を投じていく。それがたとえ困難な道であったとしても。

敵である蒙古軍の懐(ふところ)に飛びこんで、敵も味方も、多大な犠牲をはらう現実をみて…

「対話」 が必要だと説く時輔。そしてついに、時宗との兄弟の再会。感動的なラストでした(涙)



前編にもまして
戦火が激化していく後編!

文永の役(1274)、弘安の役(1281)、2度にわたる、蒙古襲来(元寇)をえがきます。九州北部

博多湾が主戦場となります。「蒙古襲来絵詞」 からみて、当時の戦の激しさを物語っています。

クビライ・カアン(フビライハン)率いるモンゴル帝国という外敵の脅威。深まる幕府内部の対立。

神風で蒙古軍が撤退を余儀なくされた伝説は有名です。円覚寺開祖の無学祖元(筒井康隆さん)

にあと5年しか生きられないと告げられ、愕然とする時宗(和泉元彌さん)。ちなみに、日蓮宗

開祖・日蓮(奥田瑛二さん)は、前編収録。 民衆に石をぶつけられ迫害されながらも、情熱的な

説法をする日蓮を、おさない時宗が庇っている名シーンがありました。1番きつい時に執権に

なったと言っても過言ではない茨(いばら)の人生。 北条時宗、人生の正念場です。そして――

NHK大河 『北条時宗』 は
中国ロケにも力を入れてます。



蒙古襲来!!
最大のみせ場 戦闘シーン

NHKオンデマンドで、大迫力の動画をみました! 中国ロケとCGでスケールの大きい臨場感

あるシーンを創りあげています。武士、農民、僧侶、商人にいたるまで、あらゆる身分、階層の

人々が蒙古軍にそなえ、鉄壁の防御壁、石壁をつくります。武士が農民が、北条が反北条が

などと言っていられない、緊急の事態となったのです。戦況は激化し、複雑になっていきます。

敵も味方も、あまりに犠牲が多過ぎた――そして。激しい戦火の果て、敵も味方もなくなった。

嵐のなか、蒙古軍の倒れた兵士たちを無我夢中で救助する、日本軍の兵士たちのシーンに

心揺さぶられた。そんな場面に自分が遭遇したらどうするだろう? 深く考えさせられるシーンでした。

平和を求める人間は、なぜ争うのだろう。民の幸せを第一に考える政(まつりごと)だったら

この世から争いは無くなるのだろうに、と。毅然とした時宗の采配と決断に、勇気づけられました。

Writer Miyu


(2017年07月24日 記事改訂)



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