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ＮＨＫスペシャル　エジプト発掘　第３集　クレオパトラ　妹の墓が語る悲劇　感想


　ＮＨＫスペシャル
『エジプト発掘　第３集
　クレオパトラ
　妹の墓が語る悲劇』

　2009年放送 （本編50分）

【出演】

【キャスター】
　谷地健吾

【語り】
　上田早苗

【音楽】
　池頼広


【内容と感想】
テレビ、オンデマンド２度鑑賞。オンデマンド配信あと３日で再々鑑賞（涙）

近年、トルコのエフェソスで古代エジプトの女王クレオパトラの手がかりを

解く遺跡が発見されました。それはかつて女王の座まで争った妹、アルシノエ

の墓でした。すでに決着がついた歴史に、「If」は許されないのかも知れない。

でも、クレオパトラとアルシノエ、姉妹が仲がよかったら、歴史は変わって

いたかも知れない。歴史、考古学、科学。さまざまな分野の専門家達の力の

結集によって、これまで謎に包まれていた実像と全貌が明らかに！　女王の




座を脅かす「脅威」たる妹アルシノエは、姉クレオパトラが、ローマの神君

カエサルの後継者、アントニウスの毒殺によって突然、殺害させたのです。

アルシノエ 15～17歳の時のことでした。毒の研究をしていたと言われる、

クレオパトラの残酷な一面が垣間みえる話です。肉親と政（まつりごと）が

絡んだ複雑な人間関係。『クレオパトラがアントニウスによってアルシノエ

を殺害させた』。この事は今日まで、古代書物の資料の中でしか、記されて

いなかった。それが事実だという事が現代科学の調査で明らかとなりました。




アルシノエの顔が復元！
姉妹の悲劇

「アレクサンドリア出身」「２千年前にエフェソスで死んだ」「極めて身分

の高い女性」。墓の規模の大きさから浮かびあがってきた人物像。これらの

全ての条件をみたす人物が、１人だけ存在した――アルシノエ！　1929年、

考古学調査で頭蓋骨が紛失されるも、わずかに現存する測定データと写真を

手がかりに困難の末、ＣＧ技術を駆使してその顔が復元されて行く。アルシノエ

はヨーロッパとアフリカの特徴をあわせもつ混血でした。15～17歳、身長

154センチ（当時としては大柄）、細身の体型、黒髪、褐色の肌、彫りの深い

顔だち、引力をもつ大きな瞳。オリエンタル美女。姉のクレオパトラもこんな

感じだったのだろうか。歴史上の大発見！　だが――クレオパトラの墓は発見

されていない。未だ砂や海の中に埋もれたままだと言われています。今後も




発掘調査が歴史をぬりかえて行く事でしょう。女の身でエジプトを治めるには

ローマと組むしかない。３千年続いた古代エジプト。最後の女王クレオパトラ

の苦悩が切ない。ローマと同盟を結ぶクレオパトラ派。エジプト独立を目指す

アルシノエ派。エジプト王家姉妹の対立は激化を深めて行きました。政治犯が

幽閉されていたというアルテミス神殿。アルシノエはそこで政治的、宗教的

にも保護されていました。聖地アルテミス神殿に入り、彼女を殺害できるのは

ローマ後継者のアントニウスだけ。クレオパトラは、アントニウスによって

彼女を亡き者に。政争が生んだ王家の姉妹の悲劇。アルシノエがエフェソス

へ追放されてから、わずか数年後の事でした――（次の感想へ続きます）

Writer Miyu


（2018年01月18日更新）




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